ロシアと日本の文化の違いを知ると、語学学習が10倍楽しくなる理由

ロシア語を学び始めたとき、文法の複雑さや発音の難しさに戸惑った経験はありませんか?実は、言語の習得において「文化理解」は、文法や単語を覚えることと同じくらい重要な要素なのです。

ロシア語で「Спасибо/スパシーバ(ありがとう)」と言えても、どんな場面で使うべきか、どんな表情で伝えるべきかを知らなければ、相手に違和感を与えてしまうかもしれません。逆に、ロシア人が仕事中に笑顔を見せない理由や、なぜ直接的な表現を好むのかを理解していれば、言葉の背景にある「本当の意味」が見えてきます。

この記事では、ロシアと日本の文化の違いを詳しく解説します。コミュニケーションの取り方から日常生活のマナー、ビジネスシーンでの振る舞いまで、実際の場面で役立つ具体的な知識をお届けします。

文化理解が語学上達の近道になる理由

言葉の「真の意味」が理解できる

言語は文化の鏡です。ロシア語で「Ничего/ニチェヴォー」という言葉は、直訳すると「何もない」ですが、実際には「大丈夫」「問題ない」「仕方ない」など、状況によって様々な意味を持ちます。この言葉の使い方を理解するには、ロシア人の忍耐強さや運命論的な価値観を知る必要があります。

文化的背景を理解することで、単語帳では学べない「生きた言葉の使い方」が身につきます。教科書通りの表現ではなく、ネイティブスピーカーが実際に使う自然な表現を習得できるのです。

モチベーションが持続し、学習が楽しくなる

文法の暗記や単語の反復練習だけでは、どうしても学習が単調になりがちです。しかし、「ロシア人はなぜ偶数の花を贈らないのか※₁」「ロシアの家に招かれたらどう振る舞うべき※₂」といった文化的な知識を学ぶと、言語学習に物語性が生まれます。※₁※₂の解説はこのあとにあります!

実際に、ある日本人学習者は「ロシアの食事文化を知ってから、料理に関するロシア語の単語が自然に覚えられるようになった」と話しています。文化への興味が、学習の原動力になるのです。

コミュニケーションの失敗を避けられる

言語の違いから生じる誤解は、単なる意思疎通の問題にとどまりません。文化的背景を理解していれば、「この場面ではもっと直接的に伝えるべきだ」「ここでは目を見て話すことが信頼の証だ」といった判断ができるようになります。誤解やトラブルを未然に防ぎ、スムーズなコミュニケーションが実現するのです。

コミュニケーションの違い|表情・態度・言葉の使い方

ロシア人とのコミュニケーションで最も戸惑うのが、表情や態度の違いです。「なぜこんなに無愛想なのだろう」と不安になった経験はありませんか?実は、ロシアと日本ではコミュニケーションの「基本ルール」が大きく異なります。

笑顔の意味と使い分け

ロシアでは「理由のない笑顔」は不自然

日本では接客業や職場で笑顔を保つことが美徳とされますが、ロシアでは全く逆の文化があります。ロシア人にとって、笑顔は「本当に嬉しいとき」「心から楽しいとき」にだけ見せるものです。

特に仕事中や公共の場で常に笑顔でいると、「何か企んでいる」「信用できない人」と思われてしまう可能性があります。ロシアのことわざに「Смех без причины — признак дурачины(理由のない笑いは愚か者のしるし)」というものがあり、この価値観が文化に深く根付いています。

ロシア人が仕事中に真顔でいるのは、決して不機嫌なわけではありません。むしろ「この仕事に真剣に取り組んでいます」という真面目さの表現なのです。店員が無表情でも、それは失礼な態度ではなく、プロフェッショナルな姿勢の現れです。

一方で、ロシア人は親しい友人や家族に対しては、驚くほど温かく笑顔を見せます。この「公と私」の使い分けが、日本人には極端に感じられるかもしれません。

直接的な表現と婉曲表現の違い

ロシア語のストレートな表現文化

ロシア人は思ったことをはっきりと伝えます。「これは良くない」「私はそうは思わない」といった否定的な意見も、遠慮なく直接的に表現します。

例えば、日本人が「ちょっと難しいかもしれませんね」と婉曲に断るところを、ロシア人は「Нет, это невозможно/ニェット エタ ニヴァズモーシュナ(いいえ、それは不可能です)」と明確に伝えます。これは失礼なのではなく、誤解を避けるための効率的なコミュニケーション方法なのです。

日本の遠回し文化との衝突

日本人は「空気を読む」ことを重視し、相手を傷つけないように言葉を選びます。しかし、この配慮がロシア人には「曖昧で分かりにくい」と映ります。ある日本人ビジネスマンが「前向きに検討します」と答えたところ、ロシア人パートナーは「承諾してくれた」と理解してしまい、後にトラブルになった事例があります。

ロシア語でコミュニケーションする際は、以下のポイントを意識しましょう:

  • 曖昧な表現は避け、自分の意見をはっきり述べる
  • 断るときは理由を添えて明確に伝える
  • 「たぶん」「おそらく」といった不確実な表現を多用しない
  • 相手の直接的な物言いを「失礼」と受け取らない

パーソナルスペースと身体接触

ロシアの身体接触文化

ロシアでは、親しい間柄での身体接触が日本よりもはるかに多く見られます。友人同士で会ったときのハグや頬へのキス(通常3回)は、一般的な挨拶の一部です。男性同士でも、親しい友人であればハグや肩を叩き合うことは珍しくありません。

日本では他人との身体的距離を保つことが礼儀とされます。しかし、ロシアでは身体接触は親愛の情の表現であり、拒否すると「冷たい人」「距離を置きたいのか」と誤解される可能性があります。

ロシアでは、関係性によって身体的距離が明確に変わります:

  • 初対面: 握手が基本(男女問わず)
  • 知人レベル: 軽いハグや頬へのキス
  • 親しい友人: より長いハグや肩を組むなど

アイコンタクトの重要性

ロシアでは「アイコンタクト=誠実さ」

ロシア文化において、相手の目を見て話すことは「誠実さ」「自信」「信頼」の証です。会話中に目をそらすと、「嘘をついている」「何か隠している」「自信がない」と解釈されてしまいます。ビジネスシーンでは特に、しっかりとしたアイコンタクトが不可欠です。

日本では、目上の人に対して長時間目を見続けることは失礼とされる場合があります。しかし、この日本的な態度がロシアでは「不誠実」「信用できない」というネガティブな印象を与えてしまいます。

アイコンタクトに慣れていない日本人にとって、いきなり相手の目を見続けるのは難しいかもしれません。以下の方法で段階的に練習しましょう:

  1. 相手の眉間あたりを見る(完全に目を合わせるのが難しい場合)
  2. 最低でも3秒間は目を合わせてから視線を外す
  3. 自分が話しているときは、より積極的にアイコンタクトを取る

日常生活のマナーと習慣の違い

ロシアの日常生活には、日本人にとって意外に感じられる習慣やマナーが数多く存在します。これらを知らずにロシアを訪れたり、ロシア人と交流したりすると、思わぬ誤解を招くこともあります。

挨拶とジェスチャーの違い

手招きのジェスチャーが真逆

日本では人を呼ぶとき、手のひらを下に向けて指を手前に動かしますが、ロシアでこのジェスチャーをすると「あっちへ行け」という意味になってしまいます。ロシアで人を呼ぶときは、手のひらを上に向けて、指を自分の方へ曲げる動作をします(欧米共通)。

握手の文化とタブー

ロシアでは握手が基本的な挨拶ですが、いくつかの重要なルールがあります:

  • ドアを挟んでの握手は厳禁: 必ずドアの内側か外側、どちらか一方で握手をします
  • 手袋をしたままの握手は失礼: 冬でも握手の際は手袋を外すのがマナーです
  • 女性からの握手: 女性が先に手を差し出さない限り、男性から握手を求めるのは控えめにします

食事のマナーと食文化

ロシアの食事は必ずスープから

ロシアの伝統的な食事では、必ず「スープ→メイン料理→デザート」の順序で提供されます。これは単なる習慣ではなく、消化を助けるための合理的な順序と考えられています。代表的なロシアのスープには、Борщ/ボルシチ、Щи/シチー、Солянка/ソリャンカ、Уха/ウハーなどがあります。

食事中のマナー

ロシアの食卓でのマナーには、以下のような特徴があります:

  • 両手はテーブルの上: 食事中、手はテーブルの上に置きます
  • 音を立てない: スープや飲み物を音を立てて飲むことはマナー違反です
  • 残さず食べる: 料理を残すことは、「美味しくなかった」という意思表示になります
  • パンは手で割る: パン(黒パンが一般的)は必ず手で割って食べます

ロシアでは食後に必ずЧай/チャイ(紅茶)を飲む習慣があります。伝統的なварить/サモワール(湯沸かし器)で淹れた濃い紅茶を、ジャムやはちみつと一緒に楽しみます。

贈り物文化の違い

偶数の花は絶対にNG

ロシアで最も重要な贈り物のルールが、「花の本数は必ず奇数」ということです。偶数の花束は葬式や墓参りの際にのみ使われます。誕生日や記念日に花を贈る場合は、必ず1本、3本、5本、7本など奇数にしましょう。

また、ロシアでは黄色い花は「別れ」や「裏切り」を連想させるため、恋人や配偶者に贈ることは避けるべきです。ただし、友人への贈り物としては問題ありません。

家に招かれたときの手土産

ロシア人の家に招かれたときは、以下のような手土産が喜ばれます:

  • 花束(ホステスに奇数本の花を)
  • チョコレートやお菓子(子どもがいる家庭では特に喜ばれます)
  • ワインやシャンパン
  • 日本からの贈り物(日本の伝統的なお菓子や小物は特別感があります)

日本では帰り際に渡すこともありますが、ロシアでは到着時にすぐ渡すのが一般的です。また、プレゼントはその場で開封することが期待されます。

避けるべき贈り物

  • ナイフや刃物(関係を「切る」ことを連想させる)
  • 空の財布(貧困を意味する。中にコインを入れれば問題ありません)
  • 鏡(割れると不吉とされる)

家に招かれたときのマナー

靴とスリッパの文化

日本と同様に、ロシアでも家の中では靴を脱ぎます。これは日本人にとって馴染みのある習慣です。ロシアの家庭では、ゲスト用のТапочки/タポーチキ(スリッパ)が必ず用意されています。

日本では素足や靴下のままでも許される場合がありますが、ロシアでは必ずスリッパを履くのがマナーです。特に冬は床が非常に冷たいため、スリッパは必需品です。

家の中での振る舞い

ロシア人の家に招かれたときの基本的なマナー:

  • 家に入る前に必ず挨拶をします
  • 上着やコートは玄関のクローゼットに掛けます
  • 食事の前には必ず手を洗うことが期待されます
  • ホストが席を指定するまで勝手に座りません

ロシアの家庭での食事は、日本以上におもてなしの心が強く表れます。ロシア人は客人に対して、食べきれないほどの料理を用意します。これは豊かさと歓迎の気持ちの表現です。

ビジネス文化の違い|仕事のスタイルと価値観

ロシアのビジネス文化を理解することは、仕事でロシア人と関わる際に非常に重要です。日本のビジネスマナーとは異なる点が多く、事前に知っておくことでスムーズな関係構築ができます。

会議やミーティングでの振る舞い

率直な意見交換が基本

ロシアのビジネス会議では、参加者が率直に意見を述べることが期待されます。日本のように「場の空気を読んで」発言を控えることは、むしろ消極的と見なされます。

反対意見がある場合は、その場ではっきりと伝えることが重要です。会議後に個別に話すという日本的なアプローチは、ロシアでは「不誠実」と受け取られる可能性があります。

時間感覚とスケジュール管理

柔軟な時間感覚

ロシア人の時間感覚は、日本人と比べるとやや柔軟です。会議の開始時刻に10〜15分遅れることは、それほど問題視されない場合もあります。ただし、これは相手や状況によって異なるため、自分(あなた)は時間厳守を心がけることが賢明です。

一方で、ロシア人は長期的な計画よりも、状況に応じて柔軟に対応することを好む傾向があります。日本のように詳細なスケジュールを立てても、変更される可能性があることを念頭に置いておきましょう。

上下関係と敬語表現

年功序列より実力主義

ロシアのビジネス文化は、日本ほど年功序列を重視しません。若くても能力があれば、重要なポジションに就くことができます。上司に対しても、敬意は払いますが、日本ほど厳格な上下関係はありません。

ロシア語には日本語のような複雑な敬語体系はありませんが、「Вы/ヴィ(あなた)」と「ты/トゥイ(君)」の使い分けがあります。ビジネスシーンでは基本的に「Вы」を使用しますが、親しくなると「ты」に切り替わることもあります。

ビジネスメールと電話対応

簡潔で直接的なコミュニケーション

ロシアのビジネスメールは、日本のメールと比べて非常に簡潔です。日本のように長い挨拶文や前置きは不要で、用件を端的に伝えることが好まれます。

電話対応も同様に、簡潔で直接的です。日本のように丁寧な言い回しを重ねるよりも、要点を明確に伝えることが重要です。

契約と意思決定のプロセス

人間関係を重視する文化

ロシアのビジネスでは、契約書だけでなく、相手との信頼関係が取引の基盤となります。初めての取引先とは、まず個人的な関係を築くことが重要です。食事やお茶を共にしながら、ビジネスの話を進めることも一般的です。

意思決定は、トップダウン型が多く見られます。重要な決定は、経営者や上層部が下すことが一般的で、日本のようなボトムアップ型の意思決定は少ない傾向にあります。

価値観と考え方の違い|深層文化の理解

言語を学ぶ上で、その国の人々の価値観や考え方を理解することは非常に重要です。ロシア人と日本人の深層的な価値観の違いを知ることは、より自然なコミュニケーションへの近道となります。

個人主義と集団主義

ロシアは個人主義が強い文化

ロシア人は、日本人と比べて非常に個人主義的な考え方を持っています。自分の意見や感情を率直に表現し、他人の目を気にせず自分らしく生きることを大切にします。

職場での意思決定においても、個人の判断を尊重し、自分の意見をはっきり主張します。一方、日本ではチーム全体の合意を重視し、調和を保つことを優先します。

日本では「空気を読む」ことが重要視されますが、ロシアにはこの概念がほとんどありません。ロシア人にとって、自分の意見を曖昧にすることは不誠実と受け取られる可能性さえあります。

ロシアの個人主義は、広大な国土と厳しい気候条件の中で、個人が強く生きなければならなかった歴史的背景があります。また、ソビエト時代の集団主義への反動として、現代のロシア人は個人の自由や自己表現をより大切にする傾向があります。

感情表現の豊かさ

ロシア人の感情表現は非常にストレート

ロシア人は感情表現が豊かで、喜怒哀楽をはっきりと表に出します。嬉しいときは大声で笑い、悲しいときは涙を流し、怒っているときは声を荒げることもあります。

日本人から見ると「感情的すぎる」と感じるかもしれませんが、ロシア文化では感情を素直に表現することが、誠実さや人間らしさの証とされています。

ロシア語には、感情を表現する語彙が非常に豊富です。たとえば、「тоска/タスカー」という言葉は、「憂鬱」「郷愁」「心の痛み」といった複雑な感情を一言で表現します。このような豊かな感情表現の語彙を学ぶことで、ロシア人の心の動きをより深く理解できるようになります。

家族観と友人関係

ロシアの家族の絆は非常に強い

ロシアでは、家族が人生の中心にあります。三世代が同居することも珍しくなく、祖父母が孫の世話をすることは当たり前です。家族のための時間は何よりも優先され、家族の記念日や誕生日は盛大に祝います。

友人関係の深さと狭さ

ロシア人の友人関係には、日本とは異なる特徴があります。友人の数は少ないが、関係は非常に深いのです。ロシア語の「друг/ドルーク(友人)」は、日本語の「友だち」よりもずっと重い意味を持ちます。

一度友人になれば生涯の付き合いとなり、困ったときは互いに助け合うのが当然です。親しい友人とは頻繁に家を行き来し、深夜まで語り合います。日本の「広く浅い」人間関係とは対照的に、ロシアでは「狭く深い」関係を築くことが一般的です。

ロシア人にとって、真の友人とは「душа/ドゥシャー(魂)」を分かち合える存在です。表面的な付き合いではなく、自分の内面や悩みを打ち明けられる相手こそが、本当の友人なのです。

宗教観と年中行事

ロシア正教の影響

ロシアの文化を理解する上で、ロシア正教の影響は無視できません。ソビエト時代には宗教が抑圧されていましたが、現代ロシアでは正教会が再び重要な役割を果たしています。

多くの家庭に「красный угол/クラースヌィ ウーゴル(聖なる角)」と呼ばれるИкона /イコーナ(東方正教会の聖画像)を飾る場所があります。Пасха/パスハ(復活祭イースター)はクリスマスよりも重要な祝日で、家族が集まり特別な料理を食べます。

年中行事の違い

ロシアと日本では、重要な年中行事が異なります。ロシアの主要な祝日には、Новый год(新年/最も盛大に祝われる)、Старый Новый год(旧正月/1月14日)、Пасха(復活祭/移動祝日)、День Победы(戦勝記念日/5月9日)などがあります。

ロシア正教会は現在もユリウス暦を使用しているため、クリスマスは1月7日に祝われます。この暦の違いは、ロシア文化を理解する上で重要なポイントです。

迷信と民間信仰

ロシアには、キリスト教以前の古い民間信仰に由来する迷信も数多く残っています。家の敷居で握手してはいけない、口笛を家の中で吹いてはいけない、旅行前には座って黙想する習慣などがあります。これらの迷信は、ロシア語学習者にとって興味深い文化的要素であり、ロシア人との会話のきっかけにもなります。

日本とロシアの意外な共通点

ここまでロシアと日本の違いを見てきましたが、実は両国には意外な共通点も数多くあります。これらの共通点を知ることで、ロシア文化への親近感が湧き、語学学習へのモチベーションも高まるでしょう。

靴を脱ぐ文化と清潔感へのこだわり

ロシアと日本は「家の中で靴を脱ぐ」という点で共通しています。これは、ヨーロッパの多くの国では見られない習慣です。両国とも、外の汚れを家の中に持ち込まないという清潔感へのこだわりがあります。

ロシアにも日本と同様に、家庭用Тапочки/タポーチキ(スリッパ)の文化があります。ゲスト用のスリッパが用意されているのも同じです。この共通点は、日本人がロシア人の家を訪れたときに、違和感なく過ごせる要因の一つです。

温泉・サウナ(バーニャ)文化

ロシアには「Баня/バーニャ」と呼ばれる伝統的なサウナ文化があり、これは日本の温泉文化と多くの共通点を持っています。健康とリラクゼーション、社交の場として、定期的に通う習慣があります。

日本人が温泉で心身をリフレッシュするように、ロシア人もバーニャで体と心を浄化します。白樺の枝葉を束ねた「Веник/ヴェニク」で体を叩いて血行を促進する習慣は、日本の温泉マッサージに通じるものがあります。

両国とも、歴史的に公衆浴場が庶民の社交場として機能してきました。ロシアの公衆バーニャは、日本の銭湯と同じように、地域コミュニティの中心的な役割を果たしてきたのです。

四季を大切にする感性

ロシアと日本は、ともに四季がはっきりしている国です。そして両国とも、季節の移り変わりを大切にし、それぞれの季節を楽しむ文化があります。

日本では春の桜、夏の花火、秋の紅葉、冬の雪景色を楽しみます。ロシアでも春の雪解け、夏のдача/ダーチャ(別荘)での休暇、秋のきのこ狩り、冬の雪遊びなど、季節ごとの楽しみがあります。

両国とも、旬の食材を大切にする文化があります。日本では「初物」を珍重しますが、ロシアでも春の最初のイチゴや、秋のきのこなど、季節の恵みを楽しみます。

ロシア文学にも、日本文学と同様に、四季の描写が豊かに表れています。プーシキンの詩には秋の美しさが、チェーホフの作品には春の訪れへの期待が描かれています。

文学・芸術への深い愛情

ロシアと日本は、ともに豊かな文学の伝統を持つ国です。両国の国民は、自国の文学を誇りに思い、文学を通じて人生や社会について深く考える習慣があります。

ロシアにはトルストイ、ドストエフスキー、チェーホフ、プーシキンといった世界的な文豪がいます。日本にも夏目漱石、芥川龍之介、川端康成など、多くの優れた作家がいます。両国の国民は、学校教育で自国の古典文学を学び、大人になっても文学作品を読み続ける傾向があります。

特に興味深いのは、ロシア人の詩への愛情です。多くのロシア人は、プーシキンやレールモントフの詩を暗唱できます。これは、日本人が百人一首や有名な俳句を知っているのと似ています。

両国とも、子どもの頃から芸術教育を重視する傾向があります。ロシアでは音楽学校やバレエ学校が充実し、日本では習字、ピアノ、絵画などの習い事が盛んです。芸術を単なる娯楽ではなく、人生を豊かにする重要な要素として捉える点で、両国は共通しているのです。

文化理解を活かしたロシア語学習法

ここまで見てきたロシアと日本の文化の違いや共通点を、実際のロシア語学習にどう活かせばよいのでしょうか。文化理解を語学学習に結びつけることで、より実践的で楽しい学習体験が可能になります。

文化背景とともに語彙を増やす

単語帳で機械的に単語を覚えるよりも、文化的な背景とともに学ぶことで、記憶に定着しやすくなります。

年中行事に関連した語彙を学ぶ

Новый год/ノーヴィー ゴット(新年)に関連する単語として、ёлка/ヨールカ(クリスマスツリー)、Дед Мороз/ジェド マロース(ロシア版サンタクロース)、подарок/ポダーラク(プレゼント)などを、実際の祝い方とともに学びましょう。

食文化を通じて学ぶ

ロシア料理の名前を覚えながら、その料理が食べられる場面や季節も一緒に学習します。борщ/ボルシチ、блины/ブリヌイ、пельмени/ペリメニなど、料理の背景を知ることで単語が記憶に残りやすくなります。

ロシア映画・ドラマを活用する

ロシアの映画やドラマを見ることで、文化的背景と言語を同時に学べます。まず字幕付きで全体を理解し、印象的なシーンを繰り返し見て、気になった表現をノートに書き出しましょう。その表現が使われる文化的背景を調べることで、より深い理解が得られます。

実践的なコミュニケーション力を身につける

文化的な違いを意識した会話練習

ロシア語の文法や単語を知っているだけでは、実際のコミュニケーションはうまくいきません。文化的な違いを理解した上で、適切な表現を選ぶ力が必要です。

初対面の挨拶では、ロシア人は握手をしっかりします。笑顔は親しくなってから見せ、自己紹介では率直に自分のことを話します。意見を述べる場面では、曖昧な表現は避け、「Я думаю, что…/ヤー ドゥーマユ シトー…(私は〜と思います)」を使って自分の考えを明確に伝えましょう。

ネイティブスピーカーとの交流を増やす

実際のロシア人とコミュニケーションを取ることが、最も効果的な学習方法です。言語交換パートナーを見つける、ロシア語のオンラインコミュニティに参加する、ロシア文化イベントに参加するなど、積極的に交流の機会を作りましょう。

文化の違いから、時には失敗することもあるでしょう。しかし、それは学習の貴重な機会です。ロシア人は、外国人が自分たちの文化や言語を学ぼうとする姿勢を高く評価してくれます。

継続学習のポイント

興味のある文化要素から始める

ロシア文化の中で、あなたが特に興味を持てる分野から学習を始めましょう。文学が好きな方は好きな作家の作品を原文で読むことを目標に、音楽が好きな方はロシアの歌を歌詞とともに楽しむ、料理が好きな方はロシア料理のレシピをロシア語で読むなど、興味に合わせたアプローチが効果的です。

小さな目標を設定する

大きな目標だけでなく、達成可能な小さな目標を設定することが継続の秘訣です。今月は食事に関する表現を20個覚える、ロシアの祝日について説明できるようになる、ロシア映画を1本字幕なしで理解できるようにするなど、具体的な目標を立てましょう。

定期的に文化体験の機会を作る

ロシア料理レストランに行く、ロシア映画を見る、ロシア関連のイベントに参加するなど、定期的に文化体験の機会を作りましょう。実際の文化体験は、学習のモチベーションを高め、「もっと学びたい」という気持ちを引き出してくれます。

文化理解を取り入れた語学学習は、単なる言葉の習得を超えて、異文化への深い理解と尊重につながります。ロシアと日本の文化の違いを知ることで、ロシア語学習はより豊かで実践的なものになるでしょう。

文化を知った今が、ロシア語が伸びるタイミング。LaLaで次の一歩へ

ここまで読んで、「ロシア語は単語や文法だけではなく、文化や価値観とセットで学ぶほど理解が深まる」ことを実感できたはずです。
相手の表情や距離感、率直さの意味が分かるだけで、同じフレーズでも伝わり方が変わり、コミュニケーションはぐっと自然になります。

でも同時に、「知識としては分かった。じゃあ自分は、どう学べばいい?」と感じた人もいるかもしれません。学習法は、目的や生活リズム、好きな切り口(文学・音楽・料理・ビジネスなど)によって、最適解が変わります。

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